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会長挨拶

全日本学生弓道連盟
会長 増田規一郎

全日本学生弓道連盟の会長就任にあたりご挨拶申し上げます。

学生弓道は明治25年頃より各校に弓道部が創立され、爾来、対抗戦や学生大会などが開催されはじめ、当時から弓道界をリードする存在でありました。

昭和5年には日本学生弓道連盟が結成されましたが、戦中、戦後の武道禁止令などにより、部活動が行えないなどの苦難の時期も経験をしました。昭和28年に全日本学生弓道連盟が、先達のご尽力により復活創立され今日に至っております。そしてこの間の学生の皆さんのご努力により、当初28校でスタートの学連加盟校は、現在349校を数え、近年の全日本学生選手権大会では参加校は男子女子とも200校を超え参加人員も5000人を超えるなどの隆盛の下にあります。学生弓道の活動は日本弓道の発展を支える重要な役割を果たしてきたと考えられます。

学生弓道連盟の特色は、創設以来、学生自身の手で自主的に、自治活動として運営が行われてきたところにあります。歴代委員長をはじめとする役員の方々のこれまでのご努力に心より敬意を表するとともに、私もこの歴史をしっかりと守るべく尽力させていただきたく思います。

また多くの大学には、固有の流派、射法、体配などが引き継がれておりこの伝統と、文化を継承していくことも学生弓道のもつ大事な使命と思料いたします。

副会長を5年間務めさせていただきましたが、この間の全日、王座、東西対抗戦における選手の皆さんの活躍には目を見張るものがあります。

私も約50年前の学生時代の、東京、大阪での全日、伊勢での東西対抗の思い出などはつい先日の様に懐かしく思い出されますが、近年の試合での選手の集中力、非常に高い的中率、また女子の格段の進歩の姿を拝見すると改めて、頼もしく、嬉しく思い、今後の益々の発展に期待が高まります。

さて学生弓道は武道の心とスポーツとしての競技性を併せ持っております。毎日の厳しい練習の成果として射技の向上と試合の勝利に専心することは青春時代の大事な目標の一つでありますが、同時に日々の修練を通じて容儀礼節、スポーツマンシップ、心の在り方、等を学び、そしてより高い人格の形成を目指していただきたいと思います。

そして部生活を通じて自己を鍛錬しその中から得られる、先輩,後輩、同輩、他校、等の友は皆さんの何にも代えがたい生涯の宝となるはずです。

今後会長として副会長の皆様、学生役員の皆様、各地区学連の皆様と力を合わせて、学生弓道の発展と、学生の皆さんがより良い弓道、部生活が送れる環境つくりに努力をする所存でございます。改めて皆様のご理解と温かいご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

平成30年9月 記。