会長挨拶

全日本学生弓道連盟
会長 那須 弘平

 全日本学生弓道連盟の会長をお受けするに当たり、一言ご挨拶を申し上げます。

 本連盟は、昭和28年、我が国が第二次世界大戦の戦禍による荒廃から立ち直るために懸命の努力を重ねる中で、学生弓道の再興を目指して結成されました。日本各地の学生弓道連盟を糾合して統括組織を作り弓道の伝統を承継するとともに、各種大会を開催してスポーツとしての弓道競技の振興に寄与してきました。その活動は、社会人弓道を中心として広く我が国の弓道界を牽引し指導的役割を果たしてきた全日本弓道連盟と並んで、日本の弓道の発展を支える重要な役割を果たしてきたものと考えられます。

 この組織の特徴は、運営が学生達による自治活動として展開されてきた点にあります。私は、このような形態の活動が学生弓道に相応しいものであることを信じ、今後ともこの伝統が末永く受け継がれ、発展していくことを期待しております。その中にあって、会長及び数人の副会長の職だけは、連盟発足以来、社会人によって構成されてきましたが、これも学生諸君からの依頼に基づくもので、各種相談に応える外は、大会における挨拶や表彰等を行う等、象徴的な行為を担当するにとどまっております。

 私は、本年8月、日本武道館で行われた全日本学生弓道選手権大会の競技を観戦する機会に恵まれました。50数年前、京都済寧館をはじめとして、東京及び神戸で開かれた大会に出場したことを懐かしく想い起こしながらの3日間でしたが、選手諸君の勝負にかける気迫・集中力と、整然とした試合の進行にあらためて感動し、昔に比べて格段に高くなった的中率に圧倒される思いもしました。

 私は、社会人としてはそろそろ引退する時期にさしかかっていますが、この間、弓道を通じて会得した真善美を追求する心、あるいは正射必中の精神を心の支えとして生き続けることができたことを、幸せなことであったと感謝しています。長い人生の中で、身を正し、心を整えて臨まなければならない場面というのは誰しもが経験することですが、そのような際に、道場に端座してひたすら次なる行射のために気力を集中させる射手の姿を思い浮かべながらことに臨むことができたのも、学生時代の弓の修練のおかげだったと信じています。

今後、しばらくの間、会長職をお預かりし、副会長の皆さんのお助けもいただきながら、学生弓道の発展のために努力するつもりです。皆さんの温かい協力とご支援をいただけますよう、お願い申し上げます。

(平成25年9月)

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